所得税や相続税で使われる税務上の”生計一”の意味とは
- FLAP 税理士法人
- 2024年7月26日
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税法において「生計を一にする」という要件は、様々な規定で使われています。
しかし、「生計を一にする」というのは具体的にどのような状態を指すのかが法律上明らか
にされておらず、通達で下記のように示されているだけです。

国税通則法基本通達46条
(生計を一にする)
この条第2項第2号の「生計を一にする」とは、納税者と有無相助けて日常生活の資を共通にしていることをいい、納税者がその親族と起居をともにしていない場合においても、常に生活費、学資金、療養費等を支出して扶養しているときが含まれる。
なお、同一家屋に起居していても、互いに独立し、日常生活の資を共通にしていない親族は、生計を一にするものではない。
所得税基本通達2-47(生計を一にするの意義)
法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではないから、次のような場合には、それぞれ次による。
(1)勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であつても、次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとする。
イ 当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合
ロ これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合
(2)親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。
法人税基本通達1-3-4(生計を一にすること)
令第4条第1項第5号(同族関係者の範囲)に規定する「生計を一にする」こととは、有無相助けて日常生活の資を共通にしていることをいうのであるから、必ずしも同居していることを必要としない。
まとめ
これらの通達から、常に生活費等を支出して扶養していれば、別居であっても「生計を一にする」に該当し、同居していても互いに独立した生活を営んでいれば「生計を別にする」と判定するのが原則です。
実務的には、生活費負担の有無、同居している家屋の所有者(登記)状況、住民票上の表記などを総合的に勘案して、「生計を一にする」か否かを検討することになります。
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