死亡後の給与計算 社会保険、雇用保険料、所得税の取り扱い

🌸 死亡後の給与計算の基本的な考え方

区分	取扱い	注意点
給与の性質	死亡日までに発生していた給与は「債権」として相続人に支払う必要がある	死亡日以降の分は原則発生しない（業績連動型賞与等は発生する場合あり）
支払先	相続人（通常は法定相続人）	原則として遺族に支給する（遺族に支払う場合、非課税扱いの場合もあり）

🏥 社会保険の取扱い

項目	取扱い内容	備考
健康保険・厚生年金保険	死亡日の属する月の前月分までの保険料を徴収（当月分は不要）	例：5月10日死亡 → 4月分まで控除対象、5月分以降は不要
雇用保険	死亡日の属する月までの保険料を徴収	例：5月10日死亡 → 5月分まで徴収対象
介護保険料	同上	40歳以上の場合、健康保険と同様に前月分まで控除対象

💰 所得税の取扱い

項目	取扱い内容	備考
締め日前に死亡した分の給与	「みなし相続財産」として、所得税の課税対象外	遺族に支払う場合は、相続税の課税対象（相続税申告が必要な場合あり）
締め日後に死亡した分の給与	所得税の対象、年末調整し、源泉徴収票を相続人に交付する	死亡日を年末として計算

🏦 財形貯蓄の取扱い

項目	取扱い内容	備考
死亡時の財形貯蓄残高	相続財産として、相続人に支払う	解約返戻金や利息がつく場合は相続財産に含まれる
源泉徴収	死亡に伴う中途解約の場合、利息に対して20.315%の源泉徴収税が課される	元利合計が相続財産に含まれるため、相続税申告が必要な場合あり

🎓 まとめイメージ

項目	取扱い	注意点
給与（死亡日まで）	社会保険料・雇用保険料控除、所得税課税対象（準確定申告で精算）	相続人が受領
給与（死亡後支給分）	相続税の課税対象（所得税は非課税）	相続税申告が必要な場合あり
社会保険料	前月分まで徴収、死亡月分は不要	月額単位のため、月末死亡の場合は当月分も発生
雇用保険料	死亡月まで徴収	月額単位
財形貯蓄	残高は相続財産、利息部分は源泉徴収あり	相続税申告時に含める必要あり