不動産譲渡所得に関する主な特例一覧

不動産譲渡所得に関する主な特例一覧（2024年時点）

特例名	内容	控除・軽減内容	主な適用要件
① 居住用財産の3,000万円特別控除（所得税法33条2）	自宅を売却した場合の所得から控除	最大3,000万円を譲渡所得から控除	居住用、転居後でも3年以内、親子・配偶者等への譲渡除く
② 居住用財産の軽減税率の特例	長期譲渡所得の税率が軽減	所得税 10%、住民税 4% に軽減	所有期間10年超、自宅の譲渡、3,000万円控除と併用可
③ 特定居住用財産の買換え特例	新しい自宅を購入した場合、旧宅の譲渡益を課税繰延	全額繰延または一部繰延	所有10年超、一定の金額以下、新居取得期限など条件多い
④ 被相続人の居住用財産の譲渡（空き家特例）	空き家を売却した場合の3,000万円控除	最大3,000万円控除	相続開始後、相続人が譲渡、耐震要件あり、譲渡価額1億円以下など
⑤ 災害による譲渡の特例	災害で家を失った後の売却に対する控除	最大3,000万円控除	災害指定区域、再建・転居などの条件あり
⑥ 農地等の特定事業用資産の買換え特例	事業用資産を買い替えた場合の課税繰延	全額繰延または一部繰延	事業用、買換資産要件あり（個人事業者）
⑦ 土地等を譲渡した場合の1,000万円控除（旧・長期所有土地特別控除）	廃止済（2009年以前）	-	-
⑧ 相続による取得資産の取得費加算特例（措法39の2）	相続財産の譲渡時に相続税額の一部を取得費に加算	譲渡所得圧縮（節税効果）	相続開始日から3年10か月以内に譲渡

🔍 併用可否の主な例

組み合わせ	併用可否
① + ②（3,000万円控除 + 軽減税率）	可
① + ③（3,000万円控除 + 買換え）	不可
① + ④（3,000万円控除 + 空き家）	不可（いずれか）
① + ⑧（3,000万円控除 + 取得費加算）	可

💡 注意点

• 「所有期間」は譲渡年の1月1日時点で5年超か否かで判断（10年超などもあり）

• いずれも確定申告が必須

• 自己使用・親族間売買・同族会社への譲渡は制限あり