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【譲渡所得】取得費加算の特例のまとめ 租税特別措置法39条(相続財産に係る譲渡所得の課税の特例)

  • 執筆者の写真: FLAP 税理士法人
    FLAP 税理士法人
  • 6 日前
  • 読了時間: 3分
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租税特別措置法39条 各項の説明

■全体像まとめ

第1項~3項:基本ルールと手続要件

第4項~5項:更正の請求に関する特則

第6項~7項:相続税額や対象資産の範囲の調整

第8項:資産ごとの計算ルール

第9項:相続税額減少時の調整(延滞税救済)

第10項:政令委任


第1項:基本ルール


相続や遺贈で財産を取得した人が、その財産を相続開始から相続税の申告期限の翌日以後3年以内に譲渡した場合の特例。


譲渡所得の計算上の「取得費」に、相続税額のうちその資産に対応する部分を加算できる。

➡ 二重課税(相続税+所得税)を調整する趣旨。


第2項:適用のための申告要件


確定申告書または修正申告書に


本特例を受ける旨の記載


明細書その他必要書類の添付

がある場合に限って適用される。


第3項:申告要件の救済


もし2項の記載や添付がなかった場合でも、


「やむを得ない事情」があったと認められるときは、


後日必要書類を提出すれば適用を認めることができる。


第4項:更正の請求の特則


相続税の申告や修正により、過年度の譲渡所得の課税関係が変動するケースを想定。


その場合、通常の「更正の請求期間」(1年)とは別に、条文で特別な請求期間を定めている。


(一)相続税の期限内申告を後からした場合 → 申告日から2か月以内


(二)被相続人の所得税の修正申告や更正に伴う場合 → その日から4か月以内


(三)遺産分割による修正申告や更正に伴う場合 → その日から4か月以内


第5項:更正請求への準用規定


第2項・第3項の手続要件(記載・添付、やむを得ない事情による救済)は、第4項の更正の請求にも準用される。


第6項:相続税額の定義


39条でいう「相続税額」とは:


納税猶予制度(相続税法70条の6)の適用がある場合 →

納付すべき相続税額とする。相続税の申告書 ⑲


贈与税額控除や外国税額控除がある場合 → 控除前の額を加算して算定する。



第7項:対象資産の範囲調整


取得費加算の対象となる「相続税課税価格に算入された資産」から除外されるもの:


被相続人に係る譲渡所得課税(所得税法59条・60条の3)対象資産


一方で、土地の換地処分・権利変換による資産は含まれる。


第8項:資産ごとの計算


相続税額の加算部分は、譲渡した資産ごとに個別に算定しなければならない。


第9項:相続税額が減少した場合の調整


相続税の更正の請求などで相続税額が減少した場合 → 譲渡所得も修正が必要。


その修正申告・更正に伴い追加で納付すべき所得税が発生する場合でも、

延滞税は一定期間を除外して計算する救済措置あり。


第10項:政令委任


相続税法19条(債務控除)との関係や、相続税額の計算方法など細かい部分は政令で定める。



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