勝手に「自分は相続放棄したから・・」は有効でしょうか?
- FLAP 税理士法人
- 5月1日
- 読了時間: 2分

【1】相続放棄の基本
相続放棄とは、相続人が家庭裁判所に申述して、自らの相続権を放棄する法的手続です(民法第938条)。
これは、相続が開始(通常は被相続人の死亡)してから原則として3か月以内に行わなければなりません。
【2】「勝手に相続放棄」とは何か?
以下のような状況が考えられます。
ケース①:他の相続人が「勝手に」放棄したと主張する
たとえば、兄が「自分は相続放棄したから財産はいらない」と口頭で言ったが、家庭裁判所に正式な申述をしていない。
→ これは法的には相続放棄ではありません。正式な放棄は必ず家庭裁判所への申述が必要です。
ケース②:他の相続人が無断で放棄の手続きをしてしまった
例えば、長男が次男の名義で勝手に相続放棄の申述書を出した。
→ これは無効または不正行為(私文書偽造等)に該当する可能性があり、無効です。
ケース③:相続人の1人が「家族会議で放棄したことにした」と主張
→ 口頭や書面での合意だけでは放棄の効力は生じず、法的効力なし。
【3】勝手な相続放棄に対する対処法
家庭裁判所で放棄申述がされているか確認→ 管轄家庭裁判所に「相続放棄申述受理証明書」の提出の有無を照会可能です。
偽造の疑いがある場合は刑事告発・民事訴訟も検討→ 不正に放棄されたと主張する場合、弁護士に相談を。
【4】注意点
相続放棄が認められると、その相続人は最初から相続人でなかったことになります。
放棄をした結果、他の相続人の相続分が増えることが多いので、争いの原因になります。
Comments