【相続税】諸外国の相続税と生前贈与加算について
- FLAP 税理士法人
- 5月28日
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🌍 諸外国における相続税の概要
国名 | 相続税の有無 | 基礎控除・非課税枠の水準 | 最高税率 | 加算期間(贈与の持戻し) | 備考 |
日本 | あり | 3,000万円+600万円×法定相続人の数 | 55% | 3年→段階的に7年(改正後) | 非課税枠は比較的低め |
アメリカ | あり(連邦税) | 約13.6億円(2024年、1,380万ドル程度) | 40% | 制限なし(生涯加算) | 基礎控除額が非常に高い |
イギリス | あり | £325,000(約6,000万円)+住宅加算あり | 40%(特例あり) | 7年 | 7年超の贈与は課税対象外 |
ドイツ | あり | €500,000(約8,000万円、配偶者控除)など | 30% | 10年 | 相続人の親等に応じた非課税枠がある |
フランス | あり | €100,000(約1,600万円、子への非課税枠) | 45% | 15年 | 15年を超える贈与は課税対象外 |
韓国 | あり | 約1億ウォン(約1,000万円、配偶者控除) | 50%(最高税率) | 10年 | 2024年改正で税率が上昇 |
中国 | なし | - | - | - | 相続税は導入されていない |
シンガポール | なし | - | - | - | 2008年に相続税廃止 |
オーストラリア | なし | - | - | - | 相続税は存在しない |
スウェーデン | なし | - | - | - | 2005年に相続税廃止 |
📌 補足ポイント
日本は他国と比べると基礎控除が低く、税率が高い傾向があります。
アメリカは基礎控除が高いため、超富裕層向けの税といえる側面があります。
イギリスやドイツ、フランスは中間層にも課税が及ぶ設計です。
アジアではシンガポールや中国、オーストラリア、スウェーデンなどでは相続税が廃止されています。
🌍 諸外国の生前贈与加算期間の比較
国名 | 生前贈与加算期間 | 備考 |
日本 | 3年(2024年以降段階的に7年へ延長) | 2024年1月1日以降の贈与から段階的に延長。2027年以降に3年以上が適用され、2031年以降に7年が適用される予定。 |
イギリス | 7年 | 相続開始前7年以内の贈与が加算対象。 |
ドイツ | 10年 | 相続開始前10年以内の贈与が加算対象。 |
フランス | 15年 | 相続開始前15年以内の贈与が加算対象。 |
韓国 | 10年 | 相続開始前10年以内の贈与が加算対象。 |
アメリカ | 制限なし(すべての贈与が加算対象) | 生涯にわたる贈与が相続税の課税対象となる。 |
🔍 日本の加算期間延長の背景と影響
日本では、これまで相続開始前3年以内の贈与が相続税の課税対象とされてきました。
しかし、諸外国の制度を参考に、
2024年1月1日以降の贈与については、加算期間が段階的に延長されることとなりました。
具体的には、2027年以降に3年以上が適用され、2031年以降に7年が適用される予定です。この改正により、生前贈与による相続税対策の見直しが求められる可能性があります
✅ まとめ
諸外国では、生前贈与の加算期間が日本よりも長く設定されており、相続税と贈与税の一体化が進んでいます。
日本でも、2024年以降の贈与について加算期間が段階的に延長され、2031年以降には7年となる予定です。
これにより、生前贈与を活用した相続税対策の再検討が必要となる可能性があります。
相続税や贈与税に関する具体的な対策やご相談については、税理士などの専門家にご相談されることをお勧めします。
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