【相続税】税務調査で名義預金とみなされた事例とみなされなかった事例
- 3月18日
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相続税の税務調査において、亡くなった方の家族名義の口座(名義預金)が「実質的には亡くなった方の財産である」とみなされるかどうかは、非常に重要な争点です。
税務署がどのようなポイントで判断しているのか、具体的な事例を整理しました。
1. 「名義預金」とみなされた事例(追徴課税の対象)
通帳の名前が家族であっても、**「管理の実態」や「資金の出所」**が亡くなった方にあると判断されるケースです。
通帳・印鑑の管理状況: 亡くなった方の自宅の金庫から、家族名義の通帳や印鑑がまとめて見つかった。
本人の認識不足: 名義人である子供や孫が、その口座の存在自体を知らなかった、あるいは自由に使えない状態だった。
贈与の証拠がない: 毎年110万円以下の贈与を行っていたと主張しても、贈与契約書がなく、単に亡くなった方がお金を移していただけと判断された。
印鑑の共通性: 家族名義の口座の届出印が、亡くなった方のメイン口座の印鑑と同じだった。
住所地の矛盾: 子供が遠方に住んでいるのに、口座が開設された場所が亡くなった方の自宅近所の銀行だった。
2. 「名義預金」とみなされなかった事例(非課税)
「あげた・もらった」という贈与の成立が客観的に証明されているケースです。
管理・運用の実態: 名義人本人が通帳・印鑑・カードを保管しており、本人が公共料金の支払いや買い物などで日常的にその口座を使用していた。
贈与税の申告実績: 過去に110万円を超える贈与を受けた際、名義人本人が自分の資金として贈与税の申告を行い、納税も済ませていた。
贈与契約書の存在: 贈与のたびに、お互いの署名捺印がある「贈与契約書」が作成されていた。
本人の筆跡: 口座開設の手続きや入出金の伝票が、名義人本人の筆跡で記入されていた。
判定のポイント(セルフチェックリスト)
税務調査で否認されないためには、以下の条件を一つでも多く満たしていることが重要です。
項目 | 名義預金になりにくい状態 |
資金の管理 | 本人が通帳や印鑑を持ち、暗証番号も知っている |
贈与の合意 | 贈与契約書があり、「あげた」「もらった」が明確 |
使用実績 | 本人がそのお金を使って買い物をしたり、運用したりしている |
印鑑 | 亡くなった方の印鑑とは別のものを使用している |
届出住所 | 口座の登録住所が、名義人本人の現住所になっている |
注意点
2024年(令和6年)以降の贈与税改正により、「相続時精算課税制度」の110万円基礎控除などが新設されています。新しい制度を利用している場合でも、「実質的な管理者が誰か」という点は引き続き厳しくチェックされます。




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