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【相続税】相続税の対象となる米国年金の遺族年金

  • 執筆者の写真: FLAP 税理士法人
    FLAP 税理士法人
  • 6月4日
  • 読了時間: 2分

🔍【裁決要旨の要点整理】

1.事案の概要

  • 争点:米国から支給される遺族年金の受給権が、相続税の課税対象である「みなし相続財産」に該当するかどうか。

  • 請求人の主張

    • 本件受給権は「相続によって承継されたものではない」。

    • 仮に課税対象であっても、「50%のみ」が対象であるべき。

⚖【審査請求の判断と結論】

2.米国遺族年金受給権の性質について

  • 米国の制度(連邦規則集)上、被相続人の死亡を条件に配偶者が原始的に取得するものであり、民法上の相続とは異なる。

  • しかし、相続税法3条1項6号により、契約に基づかない定期金に関する権利として「みなし相続財産」として課税される。

3.課税対象範囲(50%課税論)について

  • 被相続人の死亡により一つの新しい権利(受給権)を全額取得しており、従前の「退職年金」「家族年金」の代替的継続ではない。

  • よって、「50%だけが対象」という主張は認められない。

4.評価方法について

  • 評価は相続税法24条1項3号ハの準用(24条5項)。

  • 「契約に基づかない定期金」であるため、

  • これらの基準は合理的評価方法として適切である。



✅【結論】

  • 米国遺族年金の受給権は、相続税法第3条1項6号の「みなし相続財産」に該当し、相続税の課税対象となる。

  • 課税評価は、前年度実績ベースの受給額と米国社会保障基金の実効利率により行うことが合理的である。



🧠【法的意義・実務上の留意点】

観点

内容

法的意義

外国法に基づく公的年金受給権も、一定の場合には相続税課税対象となる(みなし相続財産)

実務留意点①

被相続人の死亡により新たに発生する遺族年金等の「原始取得」は、相続による承継とは異なっても課税対象になる可能性がある

実務留意点②

評価方法として、契約の無い定期金の場合は実態に即した合理的な評価方法(例:直近受給額、実効利率)を使う必要がある

実務留意点③

外国年金制度においても、「日本の相続税評価基準」をあてはめる必要がある(評価通達準用)


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