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【裁決要約】住宅借入金等特別控除と区分所有建物の床面積要件(R05.02.20)

  • 執筆者の写真: FLAP 税理士法人
    FLAP 税理士法人
  • 4月17日
  • 読了時間: 2分

事案の概要

請求人は、取得した分譲マンション(区分所有建物)について、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を適用して所得税の申告を行った。


しかし、原処分庁は、登記簿上の専有部分の床面積が50㎡未満(47.43㎡)であることから、控除要件を満たさないとして更正処分。


これに対して請求人は、「壁の中心線計算により50㎡を超える」と主張し、処分の取消しを求めた。


争点

住宅借入金等特別控除の適用における、

「区分所有する部分の床面積(50㎡以上)」の算定方法について

→ 壁芯か、内法か?


裁決の論理と結論

🔹(1)法令・通達の読み方

措置法41条、施行令26条では「床面積」や「区分所有部分」の定義が明示されていない。


一般原則として、他法と共通する用語は、私法上の意味に従うのが相当。


🔹(2)区分所有法との関係

区分所有法第2条により、「区分所有する部分」とは専有部分を指す


専有部分とは、壁その他の区画の内側線(内法)で囲まれた部分の水平投影面積である。


🔹(3)床面積の算定方法

よって、税法上の「区分所有する部分の床面積」は、登記簿に表示される専有部分の面積(内法面積)と解するのが相当。


これは、国税庁通達「措置法通達41-11」の解釈とも一致する。


41-11 措置法令第26条第1項第2号、第30項第2号及び第35項第3号ロに規定する「その者の区分所有する部分の床面積」とは、建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号)第2条第3項に規定する専有部分の床面積をいうのであるが、当該床面積は、登記簿上表示される壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による


結論

本件家屋の登記簿上の床面積は47.43㎡であり、要件である50㎡以上を満たさない。


よって、請求人に対する住宅借入金等特別控除の適用は認められない。


更正処分は適法であり、請求は棄却。


実務的ポイント

項目 内容

控除要件 区分所有建物の専有部分の床面積が50㎡以上

面積の基準 **登記簿上の面積(内法)**が基準。パンフレットや広告等の「壁芯面積」ではNG

曖昧なケース 取得前に広告などで50㎡超と見えていても、登記簿で足りなければ適用外

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